四季折の羽歌詞
添加日期:2021-03-06 時長:04分49秒 歌手:鏡音鈴
四季折の羽 (四季折之羽) - 鏡音鈴 (鏡音リン)/鏡音連 (鏡音レン)
詞:ひとしずくP/やま△
曲:ひとしずくP/やま△
舞い落ちる粉雪が
山の背を白く染める
寂れた村のあばら家で
二人身を寄せ合う冬の夜
「出會った日も雪だった」
あなたが微笑みつぶやく
囲爐裏火に火照った顔を
大きな袖の影に隠した
春の訪れを
息吹の歓びさえずる鳥達と歌う
「綺麗な聲だね」とあなたが言った
ただそれがその言葉が嬉しくて
「いつか綺麗な聲が出なくなっても
それでも私を愛してくれますか」
「當たり前だよ」って優しく笑い
そっと大きな手が頬を撫でた
青葉照る夏の午後
あなたが病に倒れた
貧しい夫婦暮らしでは
あなたを治す薬は買えない
明くる日も明くる日も
ただひたすらに機を織る
儚き紅葉の葉のように
あなたの命を散らせはしない
季節は流れて
夏の終わりを告げる鈴蟲が
リンと鳴く
「綺麗な指だね」と
傷だらけの手を握るその手が
あまりにも冷たくて
「いつか綺麗な指がなくなっても
それでも私を愛してくれますか」
「當たり前だよ」って
咳き込みながら
痛む指を大きな手が包んだ
晝も夜も機を織り続けて
早く早く薬を買わなければ
もう少しあと少し紅葉が散る前に
この指が止まるまで
この羽が盡きるまで
「いつか私がヒトじゃなくなっても
あなたは私を愛してくれますか」
怖くて真実は告げられぬまま
そっとひとり最後の羽を
「當たり前だよ」って僕は笑い
翼を失くした君を抱きしめ言った
綺麗に羽ばたいたあの日の鶴を
ずっと今でも覚えているよ
そして変わらず君を愛しているよ