徒花歌詞

添加日期:2023-11-30 時長:03分53秒 歌手:今井麻美

花の異香(いきょう) 葡萄染(えびぞめ)の
袂 夜に咲いて
悴んだ薄唇(うすくちびる)
塞ぎ乍ら襖を開いた
行燈(あんどう)が照らす白い頬には
密かの涙 滲みて色付く
あはれ舞い散る 夜に揺り上(あ)ぐ
春を泳いで想ひ出す
あなたの橫顔
あなただけを あなただけを
幾年(いくとせ)ずっと 枯れてなお
散ってなお 想ひ続けよう
ずっとずっとあなただけを
待ち続け乍ら
今日もまた指切り眠る
花の様に
簪(かんざし)の黃金縁(こがねぶち)が
剝がれる程永い淋しさに
ひとりきり戀忘れ(こいわすれ)の籠にて
破いて花笑(え)む化粧(けわ)う一枚(ひとひら)
あはれ舞い散る 夜に揺り上ぐ
春を憂いで蘇る
あなたのぬくもり
あなただけを思ひ続け
どれだけずっと 泣いたでしょう
悔いたでしょう 徒花(あだばな)の様に
いつもいつもあなただけを
待ち続け乍ら
枕辺(まくらべ)で嘯(うそぶ)き詠う
籠の片隅(かたすみ)
手風琴の悲しげな調べに
鏡に映る姿を重ねた夜深し(よふかし)
この唇はもう
常空言(つねむなこと)に汚(よご)れた
穢れを宿す私をあなたは忘れましたか
あなただけを あなただけを
幾年(いくとせ)ずっと 枯れてなお
散ってなお 想ひ続けよう
ずっとずっとあなただけを
待ち続け乍ら
今日もまた指切り眠る
花の様に 美しく
いつまででも…
あなただけを…
花の異香(いきょう) 葡萄染(えびぞめ)の
袂 夜に咲いて
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