若し塵世猶美しければ歌詞

添加日期:2023-12-17 時長:04分05秒 歌手:猶狩

作詞 : 猶狩
作曲 : 猶狩
浮かぶ徒雲に驚く程
霞む天つ日舂きて
匂ふ瓣下照る小徑
冴ゆる月にぞ戀ひにける
花散りぬれば
空曉けむとす
屆かざる思ひ徒労重ぬ
逆風に嚮かひて去ぬる幾星霜
軈て失はむ
鴛鴦も
嘲笑ふ
囚はれし籠鳥の煢獨を
絶ゆること無き五月雨の詩
靜かなる空に聞こゆ
見上ぐれど
星憐ればず
詠ずる輓歌殘るのみ
若し塵世猶美しければ
爾、此方へ歸り來むや
憂ふれば
更に切なし
宛ら囈語の所爲なり
時雨るる每に
濡つる袂
獨言が豈通ぜめやも
目を據ゑざれど
いと堪へ難し
斜月、留まるを肯へにす
月夜を見ずは
雲路戀はまし
夢の夢こそ儚けれ
相語らふ時もが、玉響も
寢言響もさむ
白鷺も
譏誚せり
蒙昧なる鴉の驕慢を
濫觴の旋律奏でぬるに
終焉迄囃すべし
曲を極むるを須ゐず
消えざる悲愁心堂を勞す
縱令塵世猶美しけれど
爾、此方を振り嚮くまじ
饑ゑ凍ゆる心の龜裂
宛ら囈語の所爲なり
然ても勁き風かな
今宵肌寒からむ
遙けく傳ふ讚頌が
耳にぞ朧に成りし
山颪吹き始むるなれど
辭焉んぞ帶ばむ
寢覺むれば
復夢耽る
痛きことのみ彌増さる
振り放け見遣れば花無かりけり
爾、より勝りて皎潔たり
囀れど
意趣など爲さず
宛ら囈語の所爲なり
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