坂道と淺紅歌詞
添加日期:2023-12-12 時長:05分51秒 歌手:ぐちり
きっとあと少しで去ってしまうのだろう もう會うことは無いでしょう
これは ‘‘あなた’’と‘‘わたし’’の 交わることのない物語(おはなし)
あまり顔合わせることもないまま 數月が経ち
言葉を交わしたのは 夏の暮れ 夕焼けのバス停
すれ違いざま聲をかけたのは 気紛れ?
名前を呼ばれた それだけで 少し舞い上がってしまったのでした
放課後、休み時間の廊下、窓際、それに下駄箱橫の階段
姿を見かける度 ‘‘わたし’’は‘‘私’’を演じるのです
震えた手は隠せているだろうか 聲は上擦っていないだろうか
何も言われないから きっと大丈夫 ‘‘私’’でいるみたい
もっと目を見て聲を聞かせてほしい そう思うことはダメでしょうか
それでも ‘‘私’’は‘‘あなた’’に 変わらず今も笑いかけるのです
季節は巡り巡って 思い出 胸にしまって
アルバムに挾み込んだ 気付かれないように
プロローグなど無かった なぜならこの物語は
始まってなんかいない 演者などいない
‘‘私’’なんて配役は無かったの
桜並木の坂を駆け下りていく 追いかける背が遠ざかる
ただ一言伝えたくて 無我夢中で走っていた
大聲で‘‘あなた’’の名を叫んだ 気付いて振り返る顔は
いつもと同じ 優しく笑っている 「大丈夫?」なんてずるい人だ
ちゃんと目を見て聲を出せていたかな 頬のしずくを拭いながら
今から ‘‘あなた’’は‘‘わたし’’の 大切な人だと伝えるのです
「ありがとう、さようなら。」
ずっと笑顔でいられていたのかな 少し心配だったけれど
あなたが笑っていたから 大丈夫 笑えていたみたい
あの人は未來へ去ってしまったの もう會うことは無いでしょう
これは ‘‘あなた’’と‘‘わたし’’の 交わることのない前日譚(おはなし)