K歌詞
添加日期:2023-12-12 時長:03分54秒 歌手:BUMP OF CHICKEN
作詞 : Motoo Fujiwara
作曲 : Motoo Fujiwara
週末の大通りを 黒貓が歩く
御自慢の鍵尻尾を水平に 威風堂々と
その姿から貓は 忌み嫌われていた
闇に溶ける その體目掛けて 石を投げられた
孤獨には慣れていた 寧ろ望んでいた
誰かを思いやる事なんて 煩わしくて
そんな貓を抱き上げる 若い絵描きの腕
「今晩は 素敵なおチビさん 僕らよく似てる」
腕の中もがいて 必死で引っ掻いて
孤獨という名の逃げ道を
走った 走った 生まれて初めての
優しさが 溫もりが まだ信じられなくて
どれだけ逃げたって 変わり者は付いて來た
それから貓は絵描きと 二度目の冬を過ごす
絵描きは 友達に名前をやった
「黒き幸」ホーリーナイト
彼のスケッチブックは ほとんど黒くめ盡くめ
黒貓も 初めての友達に
くっついて甘えたが ある日
貧しい生活に 倒れる名付け親
最後の手紙を書くと 彼はこう言った
「走って 走って こいつを屆けてくれ
夢を見て 飛び出した僕の 帰りを待つ戀人へ」
不吉な黒貓の絵など売れないが
それでもアンタは俺だけ描いた
それ故 アンタは冷たくなった
手紙は確かに受け取った
雪の降る山道を 黒貓が走る
今は故き親友との約束を その口に銜えて
「見ろよ、悪魔の使者だ!」 石を投げる子供
何とでも呼ぶがいいさ
俺には 消えない名前があるから
「ホーリーナイト」「聖なる夜」と 呼んでくれた
優しさも溫もりも 全て詰め込んで 呼んでくれた
忌み嫌われた俺にも 意味があるとするならば
この日のタメに生まれて來たんだろう
どこまでも走るよ
彼は辿り著いた
親友の故郷に 戀人の家まで
あと數キロだ
走った 転んだ すでに満身創痍だ
立ち上げる間もなく 襲い來る 罵聲と暴力
負けるか俺はホーリーナイト 千切れそうな手足を
引き摺り なお走った 見つけた! この家だ!
手紙を読んだ戀人は もう動かない貓の名に
アルファペット1つ 加えて庭に埋めてやった
聖なる騎士を埋めてやった
終わり