蟲歌詞

作詞 : aoma
作曲 : ZUN
たとえば土の底で
靜かに眠るだけの
わたしの片腕をもいで
遊んで
深みに墮ちるほどに
意識は黒く凪いで
生溫い水が両手を
流れてゆく
暗闇 漂う蜉蝣
炎に溺れて
息をしていた
息をひそめて
生きようとしていた
地底に輝く太陽が近付いた
わたしの翅を燃やす
剃り傷だらけのこの腕を
伸ばすことも葉わず
蝕んでゆく
もしもこの翅音の
哀れな泣き言さえ
誰かに屆けば
わたしは聲をもがれ
無邪気な幼い悪夢が
わたしを探して
掘り返している
掘り返している
繰り返している
わたしの居場所を
踏み荒らす
その腕に
抗うこともできず
お願い
どうか今だけでも
靜かに眠らせて
と呟くけど
冷たく熱を奪う雨が
髪を伝い震える眼を濡らす
噓でも思えたならきっと
こんなに辛くないと夢を視ても
何時でも何処かで聲がする
雑踏に震える蟲を嗤って
わたしが振り上げた
拳は今日も
宙を彷徨い渫われてく