岸壁の母~浪曲入り~歌詞

添加日期:2021-04-08 時長:08分14秒 歌手:石川小百合

岸壁の母~浪曲入り~ - 石川さゆり
詞:藤田まさと
曲:平川浪竜
昭和二十五年一月の半ばもやがて過ぎる頃
雪と氷に閉ざされたソ連の港ナホトカから
祖國の為に命をかけた同胞を乗せ
引き揚げ船 高砂丸が帰ってくるッ
父が夫が兄弟が舞鶴の港に帰ってくるッ
日本中の神経はこの港にそそがれた
狂わんばかりの喜びはルツボの様に沸き返った
母は來ました 今日も來た
この岸壁に 今日も來た
とどかぬ願いと 知りながら
もしやもしやに もしやもしやに
ひかされて
ああ その夢が あればこそ
引揚船の 著く度に
この舞鶴へ 來るのです
なのにあの子は 還らない
と言てどうして 忘らりょう
姿の見えぬ 岸壁に
涙こらえて とぼとぼと
すがった杖を 筆にして
わが子よ 端野新二よと
泣いて書いたも 幾度か
呼んで下さい おがみます
ああ おっ母さんよく來たと
海山千里と言うけれど
なんで遠かろ なんで遠かろ
母と子に
悲願十年 この祈り
神様だけが 知っている
流れる雲より 風より
つらいさだめの つらいさだめの
杖ひとつ
ああ風よ 心あらば伝えてよ
愛し子待ちて今日も又
怒濤砕くる 岸壁に立つ母の姿を
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