幽霊屋敷の首吊り少女歌詞

添加日期:2021-03-12 時長:00分00秒 歌手:ウォルピスカーター

或る夏、影を伸ばすような夕暮れ
カラスが鳥居の上で聞いた噂
耳打つ子供の聲 夏祭り、揺ラリ
裏山の小道、トンネルの向こうに
ポツリと古び眠る屋敷があって
首吊った少女の霊が夜な夜な出るそうだ
好奇心で立ち入る人達
「言っただろ、出るはずない」と
軋む階段 揺れる 懐中電燈
誰も気付いてはくれないや
「私、死んでなんかない。」って
暗がりに浸かって
そっと強がって澄ましても
過ごした日々と共に
止まった針は埃被って
また聲枯らして今日が終わって
明日が窓に映り込んでも
私は此処にいます
季節を束ねた蟲の聲 夕立
流れた燈篭 神様の悪戱のよう
迷い込んできた灰色貓
「あなたも私が見えないの?」
背を撫でようとした右手は虛しく
するり抜け、空を掻いた
「私、死んでいたのかな」って
膝を抱えて 過去の糸を手繰っても
些細な辛いことや家族の顔も思い出せなくて
遠くで燈りだす家並みの明りや
咲いた打ち上げ花火を
眺め、今を誤魔化す
夏の終わり 過ぎ去った
子供たちの噂も薄れ
漂っては薫る線香の煙と一緒に
姿は透け、やがて消えゆく
私はただの一夏の噂だった
六月始めに生まれ
八月終わりに遠退いた
意識は影法師になった
誰も見つけてはくれなかったけれど
記憶の片隅にある、かつての淡い日々の
一部となって殘り続ける
もう切らした向日葵の歌
蟬しぐれも亡き
夏の匂いだけ殘る屋敷に
少女はもういないだろう
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